オーレスンの街並(オーレスン、ノルウェー)

オーレスンはノルウェーの西海岸に面する港町で、いくつもの島から成っています。

オーレスンを訪ねたのは、ここが、災害復興で再建された街で、その様子を見たかったからです。

1904年、大火が襲い、灰燼に帰した街を、当時流行のアールヌーボースタイルの建物で再建しました。

アールヌーボーと言っても、発信地のベルギーやパリに比べると、ノルウェーの場所性や国民性が映し出されたのか、外観的には、少しつつましやかな感じがします。

それぞれに可愛らしい魅力はありますが、大掛かりで、ずば抜けた核の建築がないので、街を歩いていると少し退屈するところもあるのも確かです。都市に対する仕掛けが豊富なバロック建築に比べると、アールヌーボーは、街に対する仕掛けが平板なこと、今でもきちんと住まわれている建築が多くて、アールヌーボーの意匠にあふれた見所の室内に入ることができないことも理由です。

オーレスンを訪れると、神戸のことを考えてしまいます。神戸では、大震災のあと、急スピードで復興が行われました。必要な機能を充足することが優先された結果、全体的な景観ビジョンに欠けた復興となりました。10年20年と経ったとき、街が精彩を失い、場合によっては、スラム化する危うさを感じます。

オーレスンは、街の規模が小さかったこともあり、景観的な連帯感のある復興を実現しました。100年経った今、それが観光資源となり、ノルウェー有数の洗練した街として、価値はますます高くなりそうです。ユネスコの調査が入っていることからすれば、世界遺産登録も検討されているのかもしれません。

災害と復興のあり方を考えるためにオーレスンを訪ねてみて下さい。

交通:Osloから飛行機でAlesund空港まで1時間程度。

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Upload : 2004.01

photo by Daigo Ishii