ガーメラシュタットの教会村(ルレオー、スウェーデン)

スウェーデン北部には、教会村が点在しています。教会の回りを小さなコテージが囲み、信者はそこに滞在して、教会に通います。広大な教区と、条例による出席義務が、教会村発達の理由ですが、20世紀に衰退したものの、今も16カ所残っているそうです。

ガーメラシュタットはルレオ郊外にあり、良好に維持された教会村として、世界遺産に指定されています。

北欧風ビザンチンとでも名付けたい教会を、400超の可愛らしいコテージが放射状に取り囲んでいます。

コテージは、一部屋タイプから、いくつかの世帯が一緒になったものまでいろいろあり、屋根の上の煙突の数が、世帯の数を表しています。掃除に来ていた家族に中を見せてもらいましたが、部屋は、寝泊まりできる程度の小さなものでした。一世帯一部屋が、ふつうのようです。

赤く塗られた外壁はスウェーデンでよく見る仕上げです。酸化鉄を利用した塗料で、日本でいうべんがらです。赤い庶民の家に対して、いくつかある上層階級の家だけは黄色く塗られています。

放射状の街区や、色によるヒエラルキーが、階層性を浮き上がらせてもいいものなのに、歩き回る限りは、階層性のない水平な社会構造の存在を感じます。板張りという素材の質素さや、同じようなコテージが並ぶことが理由でしょうか。そのつつましやかであることが、居心地のよさであり、魅力です。

スウェーデンは、世界でも有数の階級差の小さな国ですが、同時に、スウェーデンを旅していると、その小さな階級差を隔てる、超えがたい微妙なサインを感じてしまいます。隣国のノルウェーとの違いもそこにあります。王権と国民の関係が、スウェーデンに比べ、ノルウェーは、古来から、緩やかだったようです。

この教会村を見ていると、スウェーデンの水平な社会構造の視覚化に見える一方で、階級差を巧妙に表現した例として、うがって見てしまうのも、それ故でしょうか。

交通:StockholmからLuleaまで、飛行機で1時間半。Luleaの中心街からバスで30分。

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Upload : 2004.01

Photo by Daigo Ishii