ヒルカントリーへ−2:紅茶工場(ヌワラエリヤ、スリランカ)

ヒルカントリーの大きな紅茶農園は、茶葉から紅茶を生産する工場を持っています。有名ブランドの工場は、紅茶の生産工程が見学でき、直売ショップを持った観光施設として、人気を集めています。

1885年設立、ヌワラエリヤにあるペドロは、スリランカで、もっとも高値で取り引きされる紅茶ブランドの一つです。中心街から車で10分、標高1890メートルの丘の上に、茶畑、そして、小さな自家用農地の付いた労働者の居住地を見下ろすように立っています(下から二段目右の写真)。ペドロに限らず、小高い場所が選ばれるのは、監視のためというよりは、生産工程で必要な風を取り込むために、もっとも条件がいい、という現実的な理由からのようです。

工場は、3棟に分かれています。一つ目は、ショップを併設したエントランス棟で、窓の外には、美しい茶畑が広がります。見学後、茶畑を見ながら、ここでいれ立ての紅茶をお楽しみ下さい。

二つ目は、昔懐かしい鋸屋根の工場棟です。形は見慣れていても、クリーム色の壁に緑の屋根を載せるだけで、コロニアルな雰囲気になるんですね。中は撮影禁止ですが、乾燥から選別、パッキングにいたる作業が行われます。 欧州向け、ロシア向け、中東向けなど、その国の好みに合わせて、茶葉の大きさやふるい方を変えながら、機械が動きます。衛生的で、能率的な作業空間でした。

工場の奥、トンネルで結ばれているのが萎凋棟です。銀色のトタン張りの現代的な外観です。最初の工程として、摘みたての茶葉を、室内の網棚に敷き並べ、葉の水分を飛ばします。それを萎凋と呼びます。そのために必要な風を最大限取り入れるため、壁全面が、片開きの窓となっています。温度や湿度に応じて、弁のように、開き方を調整するそうです。トンネルで行き来するのも、風を遮る構造物を避けるためかもしれません。

萎凋棟の建築タイプは、他の工場にもありましたから、ペドロのオリジナルという訳ではないようです。自然風を利用した萎凋方法を追求すると、この形に収斂するのでしょうか。立地といい、建築といい、スリランカの風土が生み出した機能主義は、人ではなく、紅茶のための機能主義というのが、おもしろいところです。

休日のため見学できませんでしたが、紅茶畑も居住地も、紅茶生産の作業工程や労働効率を考えて、道や配置をプランニングしているのでしょうか。 これは、次回の課題。

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交通
ヌワラエリヤの中心部から、車で10分程度。

参考文献

Upload 2008.01

Update 2010.06

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Photo by Daigo Ishii