ジェフリー・バワの建築:ルフナ大学(マータラ、スリランカ)

人口2000万人のスリランカにある大学は16カ所。その一つが、このルフナ大学です。バワは、1979年に設計を始め、全体が完成したのは1988年になります。

街道から入ると、まずは、大きな調整池と運動場がお出迎え。その向こうの丘の斜面に、折り重なる校舎が見えます。 校舎は分棟式で、上り下りする渡り廊下と階段のネットワークで結ばれています。

最初の印象は、斜面を利用したふつうのキャンバス以上ではありませんでした。

室内の教室と、半屋外の休憩や団らんの場、そして、屋外の庭がバランスよく配された環境は、気候にふさわしく、魅力的な勉学の場です。しかし、ローコストでつくられた公立学校の常で、大向こう狙いの見せ場はあまりありません。雨に配慮した赤瓦の屋根に、単純な柱梁に合わせた規則的な窓、仕上もプラスターかペンキのつましいもので、そぎ落とされて、シンプルになったコロニアル建築という感じです。

しかし、しばらく歩いていると、印象が変わって来ました。単純に地形に沿って配置された建物を歩くにしては、アップダウンが多いのです。実は、よく観察すると、各校舎は、地形の蛇行にきれいに合わせている訳でなく、幾何学的に配置されているのです。もう少し具体的に言えば、90度、60度、30度、45度を組合せて、ある程度は、地形の蛇行に近づけて配置しているものの、その原則を曲げてまで、ぴったりと地形に合わせはしていない、という感じでしょうか。

そうやって配置された建物を結ぶ道も、等高線に沿って曲がりくねる訳でなく、あくまでも、角度に合わせ、直線状。だから、まっすぐ歩こうが、横に折れようが、階段が現れ、アッブダウンしてしまうのです。

地形に合わせているような、ないような、地形とずれのある、もう一つのランドスケーブが、このルフナ大学の正体でした。カンダラマホテルでもそうでしたが、バワの建築は、単純なランドスケープの尊重とは一線を画するようです。

一見すると、環境や歴史的背景に配慮した建築という月並みな言葉で、くくってしまいそうですが、実は、一筋縄では行かない建築でした。

とはいうものの、焦点となるような空間がなく、全体が同じような繰り返しでつくられているという、システマティックな計画学につきものの、物足りなさがあったのも、事実です。でも、それは、大学という機能に対する回答としてよかったか、というよりは、物見遊山の建築観光対象としての感想であります、はい。

そして、ここでも岩を見つけました。基壇の壁から、ぽこんと飛び出しています。半分資材置場なのは、罰当たりな感じもありますが。

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交通
マータラの中心部から、ハンバントタ方面に街道を進み、車で10分程度。

見学
大学の事務局から構内見学の許可を受ける必要あり

参考文献

Upload 2008.06

Update 2008.08、2010.06

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Photo by Daigo Ishii