ジェフリー・バワの建築:ルヌガンガ−2(ベントタ、スリランカ)

どの建築も、細部のディテールから全体の流れまで、そして、機能上のエレメントのデザインから彫刻や器のコレクションまで、バワの美意識で満たされています。

しかし、一通り回ってみると、それぞれが魅力的だったはずなのに、部分の印象しか残っていないのです。自分の自分による自分のための快楽の建築であり、他人による評価を必要としていないからでしょうか。誰にでも解読できる、一般的なつくり方の論理が欠落していても、不都合がなかったのかもしれません。

果たして、バワは、50年の試行錯誤の末に、理想郷の完成形を見つけたのか。

答えは、否ではないでしょうか。

完璧だと思ってつくり、出来上がってみると、やはりどこか足りず、それを解決するために、次なるデザインに足を踏み入れる、その繰り返しだったのではないでしょうか。

それが高じるほど、執着心は、部分のささいなところに向き、ますます細部が肥大していきます。そう、マニエリスムにはまって行くのです。

よく分からない、しかし、否定し難い魅力の理由が、実は、そこに隠されているのかもしれません。

「いつまでも完結できない不完全感」、「部分の肥大で本質が覆い隠されたような不在感」、「ヨーロッパ文化に憧れ、再現しようとするも、場所も違い、自分自身もヨーロッパ人でないことによる不一致感」、そして、「誰にも何にも束縛されないことの孤独感」、そういう喪失感の重なりを読み取ってしまいました。

明るい未来に猜疑的で、倦んだ現代人と、どこか通じるのは、それ故でしょうか。

英語版へ移動する

Google Map で場所を見る

交通
ベントタの中心部から車で20分程度。

見学
5月から10月までは一般公開。入館料1500RP。11月から4月までは、ホテルとして営業するので、見学は不可。

宿泊施設のリスト
Lunuganga

スリランカ旅行に関するお薦めの旅行代理店
Connaissance De Ceylan
豪華ホテル、ドライバーに関して、国内、国外のいろいろな代理店から価格の見積を取った結果、ここを選びました。5つ星ホテルを経営しているAmayaグループの系列会社です。やり取りはすべて英語ですが、手配は申し分ありませんでした。とは言っても、比較のため、数社に見積を出すことをお薦めします。

参考文献
Geoffrey Bawa the Complete Works (David Robson, Thames & Hudson, 2002)

Upload 2008.07

Update 2008.09、2010.06

← previous next →

Copyright (C) 2010 Future-scape Architects. All Rights Reserved.

← previous next →

庭園

Photo by Daigo Ishii