スリランカの付録-2:スリランカのお犬様(全土、スリランカ)

お国柄というものは、身近なところに現れるもの。台湾やモルディブのバイク然り、ミャンマーの托鉢然り、中国の自転車然り。あるいは、コロンビア、ベネズエラあたりで、老若を問わず、ダンスでコミュニケーションすることもそうでしょうか。スリランカを旅していて、同じように気になったのは、犬でした。

飼い方の文化の違いなのか、日本の犬は、傍若無人(犬)に感じますが、第三世界のたいていの国で、犬は分をわきまえた存在です。人間様に逆らえば、食い物にありつけず、そのおこぼれで生きるから、飽食はなくスレンダー体型。ちょっとでも刃向かえば、叩かれるのは日常茶飯事という世界で、上下関係をきちんと学習した成果からか、人間に吠えかかることは、あまりありません。

そこまではどこの国でも、似たり寄ったりですが、スリランカの犬が特別なのは、その表情が、他では見られないぐらいストレスフリーなことです。道端は当たり前、大勢の人が行き交う道の真ん中でさえ、幸せそうに昼寝しています。最初は、死体が捨ててあるのかと思ったぐらい、身じろぎもしません。そのぐらい無防備に、熟睡しているということ。

人の方も慣れたもの。悪さでもしない限り、道をふさぐとは不届き者とばかりに、蹴飛ばす輩もいません。みんな、当たり前のようによけて行きます。必要最低限のルールを守れば、まあいいや、という感じです。不要な威嚇のないことを理解しているから、犬も、安心して身を投げ出すことができるのでしょう。

例え、民族的な問題を抱えているとしても、スリランカを旅して感じたのは、個々の人々が寛容で温かいこと。それは、旅人に特別に向けられたものではなく、スリランカの人々の地の部分に横たわっているように感じました。そういう社会の様子を簡潔に映し出す鏡、その役割を担っているのが、この国では、犬のようです。

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Upload 2008.07

Update 2010.06

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Photo by Daigo Ishii