コロンボのお屋敷町
(コロンボ、スリランカ)

中心部から2キロほど、コロニアル建築のタウンホールの立つヴィハーラ・マハー・デーウィー公園ことビクトリアパークから、シナモンガーデンズあたりが、コロンボの高級住宅街です。シナモン農園の広がっていた昔日の面影は、今や地名に残るだけで、都市にすっかり呑み込まれています。

街路樹だけは迫力がありますが、スリランカ経済の反映なのか、豪邸自体は、おとなしめです。

道路に面して大きな前庭があり、その奥にお屋敷が立つという、絵に書いたような風景は、思ったほどありません。家構えは小さい訳ではありませんが、塀を挟んで、道路近くまで迫っている家が多いことから、敷地もさほど広くないようです。熱帯の金持ちの家には必須のはずのプールが、あまり見当たらないのも、その敷地の小ささ故か、はたまた、金持ちの微妙な懐具合を映し出しているのか。

植民地上がりの第三世界の国では、きちんとつくられたコロニアル建築がいちばんのステイタスというイメージがありましたが、大抵は、簡略化されたコロニアル風止まりか、地味な現代建築です。そのあたりも、抑え気味。敷地に余裕があり、樹木で見え隠れしていれば、気にならないものの、結構、道に沿って家が切れ目なく続くため、バラバラのデザインが、雑然と迫って来ます。

共通点は、屋根の赤瓦ぐらいですが、景観に配慮したと評価するのは、先走り。ふつうの民家から寺院まで、定番の国ですから。気候に対して耐久性があり、手頃であることが理由でしょう。

良い意味でも嫌な意味でも、第三世界の高級住宅街にある余裕、それが控え目です。社会格差の小ささを表わすなら、それはそれで良いのですが、現実は、政治状況の不安定さから来る経済の停滞が、金持ちの稼ぎに、ひいては、家に反映されたというところではないでしょうか。高級住宅街もまた、お国柄を映し出す指標です。

一戸建ての不動産価格は、土地300平米に、400平米程度の2階建ての家が付いて、8000万円から1億円ぐらい。お買い得感あり?それともなし?。

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交通
コロンボの中心街から車で15分程度。

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参考文献

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コロンボのお屋敷町の街並

        Photo by Daigo Ishii