ジェフリー・バワの建築:
ライトハウスホテル
(ゴール、スリランカ)

晩年のバワがお気に入りだったのが、このライトハウスホテルだそうです。

ゴールの中心部からコロンボに向かう街道を進むこと2キロ、大きく曲がるカーブに沿って、城壁のように、ホテルが現れました。

街道に面した車寄せには、小さなレセブションがあるだけで、そこから大きな回り階段を上ると、ロビーに出ます。そこが、ちょうど海から立ち上がる岩礁の高さになり、テラスからは、大海原の絶景も潮騒も、すぐそこです。

2棟の客室棟も、海に向かって並び、とにかく、建築と海の風景を近づけ、それをどう演出するかが、このホテルのコンセプトになっています。

ただ、海の近さは、裏を返せば、街道と海の間の、細く、引きの取れない敷地とも関係しているようです。客室数の結構あるホテルの割には、歩き回れる部分も限られ、意外に狭々とした印象だったのも、それ故です。このあたりは、部屋で、海の移ろいを眺めながら、ただゆっくりと過ごせればいい、というゲストか、あてどころなく、ぶらぶらとさまよいたいゲストかで、答えの分かれるところかもしれません。

建築的には、現代化されたコロニアル建築というか、現代建築のボキャブラリーを使ってつくったコロニアル建築とでもいったところでしょうか。そういう中に、バワの他の建築同様、フォークロアのエレメントが、点描のように、時々現れます。

ちょっと驚いたのは、遠目には、板張りの壁かと思った外壁が、近寄ってみると、塗り壁の上に、ペンキで線を書いたものだったこと。こんなことをしなくても、他に方法がありそうですが、何のために?

そして、ここにも岩あり。渡り廊下に、ぼこぼこ岩が飛び出しています。走り回る子供が、けつまづいて転びそうです。でも、それは、こういうホテルに泊まっているにもかかわらず、気ままに走り回るような躾を受けた子供の方に非があるというもの。

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交通
ゴールの中心部から車で10分程度。

リンク
ライトハウスホテル

参考文献 
Geoffrey Bawa the Complete Works (David Robson, Thames & Hudson, 2002)

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ライトハウスホテル (1997)

        Photo by Daigo Ishii