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築35年の事務所ビルのリノベーション。

古ぼけたインテリアや設備のため競争力の落ち始めていた物件を、リノベーションにより、周辺の建物と競合できる物件にすることが、目的でした。

先ず、設備配管が多数通る部分や上階に水回りのある部分を除いて、天井を取り払いました。リノベーション前の天井高は245cmでしたが、リノベーション後には、断熱材を入れた最上階で270cm、それ以外の階では288cmと、、40cm程度高くなりました。天井の圧迫感は減り、広々と感じられるようになりました。

壁は、構造上、機能上不要なものを取り払った上で、事務室から丸見えになっていた厨房やトイレの扉を、視線から保護する間仕切壁を新設。事務室と水回りを緩やかに切り分けました。

壁や梁は、反射率の高い明るい白で仕上げ、天井は、コンクリートの床スラブ下面を、モルタルで平滑に仕上げ、その地色をインテリアとしました。現代的でクールだが、明るい感じをつくり出そうとしました。

設備については、分電盤、電話取入口のあった入口ドア回りを、ドアと一体の大きなパネルに仕立て、中にすべてを収め、すっきりとした印象にしました。パネルの設備部分のドアを開くと、内部で、電気、電話、光回線などの配線ができ、ルーターの設置スペースも備えています。

巾木は、電気、電話、光回線を内部に通すことのできる配線巾木につくり替え、室内のさまざまな場所へ、床に露出せずに、配線が引き回せるようにしました。

 

所在地 東京都渋谷区

延床面積 265.31m2(80.3坪)

構造 RC造4階建て

施工 稲垣建設 + 恵堂

 

2段目の写真の改装前の様子

4段目の写真の改装前の様子

南西から見る室内の全景。既存の天井を取り払い、288cmの天井高を確保した。

壁や梁は、反射率の高い明るい白で仕上げ、天井は、コンクリートの床スラブ下面を、モルタルで平滑に仕上げ、その地色をインテリアとした。

南東から見る室内。照明は、高くなった天井に取り付けると照度が低くなるため、適正照度が確保できる高さで、天井から照明を吊り下げている。

東から見る室内の全景。

入口ドア回り。紺色に塗られた部分は、分電盤や電話やインターネットの取入口と入口ドアを一体的に収めたスチールのパネル。

パネルは扉式になっており、開けると、内部に分電盤他があり、配線のつなぎや、ルーターの設置が行える。

新設した配線巾木。内部に電気、電話、光回線を通せる。すべての壁面下部に配線巾木を回し、床に露出せずに、配線が引き回せる。

厨房と洗面所。オールステンレス製の流し台と洗面台。カーテンレールを設置し、厨房はカーテンで内部を隠すことができる。