カラ松林の別荘地に立つローコストの別荘。
別荘は夏と冬のスペースからできています。
冬のスペースは、通常の室内空間で、断熱材と断熱サッシュで囲まれています。夏のスペースは、通常のベランダスペースを防虫網とガラスで仕切った半室内的な空間で、冬に、網の部分に半透明のツインカーボネート板を入れると、熱の緩衝帯になります。
半室内化された夏のスペースにより、コストを抑えながら、メインの夏の生活空間を拡げています。サッシュが開くと、2つのスペースはひとつになり、涼風が室内に入ります。冬は冬のスペースでの生活となり、こぢんまりと暮らすことになります。
夏と冬の間で、生活領域が変化し、住まい方がダイナミックに変わります。小さな家では、変わることが広がりをつく出すのででは
ないかと考えました。
外観はこの別荘地の典型的な材料と色彩を反映しています。環境において景観的に突出せず、同時に、周囲の別荘よりシンプルにつくることで、どこか違った印象を持つことを期待しています。
所在地 長野県富士見町
延床面積 118m2(35.7坪)
構造 木造1階建
構造設計 大賀建築構造設計事務所
掲載誌、書籍
林の中に立つ様子。
ガラスと、網戸+ポリカーボネート板の窓の奥に、テラスである夏のスペースがあり、その奥に居住部分の冬のスペースがある。
湿気を避けるために、床は、地面から浮いている。右手のスロープでアプローチする。
板張りの壁や、鋼板の屋根という、この別荘地でよく見掛ける素材が、外観に使われ、別荘地の景観とつながって行く。
夏のスペースと冬のスペースを使い分けることによる、生活領域の広い夏の使い方と、冬のスペースのみの冬の使い方を示す。
南側外観の開口部の様子。夏は、ガラス窓と網戸が繰り返し、冬には、網戸に後ろにツインポリカーボネート板をはめ込む。
北側から見た外観。細い高窓から光が入る。
透明な窓ガラス部分と、網戸の部分が、リズムを持って繰り返す外観。
屋根を被せた状態と、屋根を取って、夏のスペースと冬のスペースを見る状態。