日本のブランド家具の草分けである天童木工の日本初のオフィシャルショップとしてつくられた。
築40年のビルのリノベーション。
ビルに蓄積した時間に敬意を表しながら、懐かしい新しさを持ったインテリアをつくろうとしました。 古いビルの骨格をある程度活かしながら、墨モルタル、アンデスローズのツキ板などの仕上材や色のバランス、家具や造作のポイント的な使い方によって、懐かしい気配は保ちながら、清新な感じのする空間につくり替えました。
空間の中に、茶色のエレメントがちりばめられています。手摺、棚、ゲート、トンネル、それらの茶色のエレメントは、1階の入口から2階のショップへと人を誘い込むためのサインのような仕掛けで、人の流れの方向や、方向の転換点を暗示します。そして、ショップ、ギャラリー、階段、廊下という異なるスペースをつなぎ合わせて行きます。
所在地 東京都目黒区
延床面積 219.39 m2
設計協力 田中理絵子(遠藤照明)
施工 植木組
掲載誌、書籍
2004.10. Casa Brutus平成17年1月号
2005.04. Wallpaper平成17年3月号
2008.05. Architects, Designer 07(Art Index, Russia)
2008.10. 1000 Interiors(遼寧科学技術出版、中国)
2009.11. Advanced Interior Design(Damdi Archiecture Publishing Co、韓国)
2009.12. Cool Shops(遼寧科学技術出版社、中国)
ウェブマガジン
2010.06. Architecture News Plus
(左)廊下からギャラリーに入るトンネル状のゲートと、その向こうの展示スペースを見る。(右)ショップの窓際の棚と、天童木工の名作家具。
40年前のビルの雰囲気を残しながら改修したショップ部。全体を大きく変えるのではなく、骨格は残し、色の調子を調え、そこに茶色のエレメントをちりばめて、他の空間とショップをつないで行く。
ショップの夕方の風景。ツキ板貼りの棚や壁が、茶色のエレメントとなり、人を奥へ奥へと誘い込む。
ショップの窓際の棚を見る。茶色のエレメントは、アンデスローズのツキ板で、床は、墨モルタルで仕上げている。
ショップを奥から見返している。ショップの天井の一部は撤去し、コンクリートの天井をあらわしにしている。
(左)ショップの、廊下からの入口を見る。機能の変わる入口を強調する茶色のエレメント。(右)ショップの茶色の板壁を背にして展示した家具。
(左)廊下を見る。廊下の突き当たりのアイストップに茶色のエレメント、ツキ板貼りの壁を配して、方向の変わることを暗示。(右)ショップ入口。
廊下の突き当たりのアイストップ。左手に折れると、ショップにつながる。左手の入口の向こうには、ゲートを強調する、板壁が立っている。
廊下から、ギャラリーおよびギャラリーへのトンネルを見る。
ギャラリーの内部。家具などの展覧会を行う。
ギャラリーの内部。廊下から、茶色のエレメントであるトンネルを抜けると、灰色掛かった水色に塗られ、水の中にいるような雰囲気となる。
ギャラリーへ入るトンネルと、ギャラリーの内部。
ギャラリーからトンネル経由で、廊下とその向こうのショップを見る。
ギャラリーのディテール。窓ガラスには、ときどきスリットが入り、外の緑の風景が切り取られる。
エントランス部分。元からの階段を増幅させた段状の展示台を設けた。エントランスのみ、微妙に塗装の仕上を変え、入口であることを暗示。茶色のエレメントである手摺が、客を2階の店舗に導き、踊り場の突き当たりの板壁が、進む方向の変わることを暗示。
(左)道路に面した入口から、階段を見る。(右)茶色のエレメントの配置と動線を示す。