八戸に学べ:八戸の町 - 3
(八戸、青森、日本)

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八戸の飲み屋巡りの肩慣らしとして、みろく横丁はいかがでしたか?

充分ウォーミングアップが済んだら、今度は、中心街の南に広がる東北有数の大飲屋街に足を踏み入れましょう。一抹の不安が拭えない方は、みろく横丁で世話になった店のお母さんに、お薦めの店を紹介してもらうのも手です。

青森県を代表する三都市、青森、弘前と八戸を比べると、食べログに掲載されている中心街の飲み屋の数では、青森が勝っているようですが、八戸の特長は、線状の飲み屋街が、あちらこちらにあるのではなく、面的に1ヵ所にまとまっていること。集積することの効果で、人口からすると、はるかに巨大な印象をつくり出しています。計画的に出来上がったエリアではないのでしょうが、コンテンツの活かし方の上手な八戸が、うまく育て上げた感じです。

その魅力は、先ず、路地型の飲屋街であること。南北に、車の行き交える道路が通っていて、そこにも店はありますが、ほとんどの店が面するのは、東西を結ぶ幅2、3メートルの路地。狭い路地の両側に並ぶ店から、看板が突き出し、折り重なり、そこをほろ酔い加減の客が通り抜けて行きます。車にご遠慮いただいた、人のための空間だから、ふらついても、飛び出しても大丈夫.。ほっとします。

バーのビルの室内通路が、奥で、違う路地や隣のビルの通路に接続して、思い掛けない場所に出たりする、ちょっとした仕掛けも八戸の知恵で、迷路や隠れ家的な店をつくり、簡単に読み解けないところが、またいいのです。

2つ目は、小さな店が多く、ローカルな個人資本で、個性があること。大手のチェーン店は、この飲屋街では、ほとんど見掛けず、八戸でしか出会えない店ばかりだから、人の匂いが強く立ち昇ります。八戸の、八戸による、八戸と観光客のための飲屋街です。

そして、ほとんどが古びていて、それがまた味。というか、建築基準法の関係で、現在の幅員だと新築ができないから、古びたまま残っている、というところが正解なのでしょうが、新築では出せない渋さで、観光客をいっそう惹きつけます。

八戸は、夏もいいですが、冬の雪もまた格別。雪がなければ冬は寒々しく、豪雪だと出歩くに不便ですが、ここの雪はいい按配。北の気分を高め、ネオンが映えます。

そういう相乗効果が、人を呼び寄せ、人の気配を濃くする、ありそうで意外とない飲屋街なのかもしれません。ハードにお金を注ぎ込まず、半ばほったらかしにして、出来上がった街に見えますが、その状態を優秀なコンテンツと見究め、後押ししている八戸は、やっぱり商売がうまい。

さあ、それでは、今宵も八戸をお楽しみあれ。

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Google Maps で場所を見る(八戸の飲屋街)

交通
八戸駅から中心街までバスで20分(日中10分間隔)、十三日町、三日町で下車、徒歩5分。

リンク
八戸市役所
八戸観光情報
八戸観光コンベンション協会

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八戸の飲屋街

        Photo by Daigo Ishii