台北Cool - 1(台北、台湾)
何の期待もせず、台北という街に着いて、最初にノックアウトされたのは、モーターバイクの一団でした。
大きな交差点なら、信号が赤になると、車列の先頭に、湧き出るようにモーターバイクが現れます。少しずつ増えて、横断歩道前の空いている車道スペースが、ほとんど埋め尽くされると、それが青信号がまもなくというサインです。信号が切り替わると、一斉に走り出すモーターバイク。しかし、日本の暴走族と重ね合わせたら、失礼なぐらい、そのボリュームの迫力とは裏腹に、規律に則って、走り出して行きます。その不思議な秩序は、台北の街、台湾の国そのものです。
台北在住のキュレーター、岩切澪さんのお話だと、自転車をほとんど見掛けないのは、中国のイメージがあって、ちょっとかっこ悪いという感覚があるのではないか、とのこと。台北に限らず、台湾の町では、日本の観光地ならよくある貸し自転車はまったく見当たらず、どこでも、貸しモーターバイク。台湾では、日本の免許は通用しないし、事故が起きると、無免許運転として、旅行保険の保障対象にならないとなると、なかなか利用できません。見ているだけです。
ヨーロッパだと、建築のファサードの連続=街並となりますが、アジアや第3世界の町では、建築のファサードよりも、その表面に取り付いている看板や洗濯物のようなノイズが、街並の雰囲気を左右しています。東京から台北に来ると、この街では、ファサードから離れ、自由に動いていくモーターバイクそのものが、街のノイズであり、街並だという気がして来ます。
モーターバイクに乾杯!
交通
台北の街ならどこでも。
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