プラハのキュビズム建築
(プラハ、チェコ)
20世紀の美術運動の一つにキュビズムがあります。ピカソの「アビニヨンの女たち」が最初の作品で、そのピカソやブラックが中心となり、大きな影響を与えました。
大半は絵画、発信の中心地はパリであったキュビズムが、パリから離れたチェコで、世界の中で唯一、建築に応用されました。
チェコの首都、プラハには、その魅力的な代表作が点在しています。
ほんの短い時期、この狭い地域にだけ姿を現し、そして消えたキュビズム建築には、若さの持つみずみずしさと痛々しさが同居しています。
歴史的建築物にあふれるプラハの街中を歩くと、それまでの権威や常識を代表していた正統的建築に対する異議申し立てとしてつくり上げられたように見えます。キュビスム建築家にとって、意匠を違えることは、デザインの問題を超えて、社会を変えることにさえなる、という思いがあったのではないでしょうか。
キュビスムの嵐が去り、戦争からいつか社会主義へ移行して行ったプラハの街では、やがて建築も静止してしまいます。輝いていたキュビズム建築家たちも、平凡な機能主義建築の設計者に変わって行きます。
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交通
Prague中心街に点在。
リンク
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参考文献
"SD1998年3月号 表層革命再考:チェコのキュビズム・ロンドキュビズム建築" (鹿島出版会, 2018)
Upload
2004.01 日本語版+英語版
Update
2018.01 写真の変更
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無断転載は、ご遠慮いただくようにお願いいたします。
黒い聖母の家 (設計:J.ホホル) (1912)
コヴァジョヴィッチ邸 (設計:J.ホホル) (1912-1913)
ダイアモンド館 (設計:E.クラリチェック+M.ブレハ) (1912-1913)
ユングマノヴォ広場のランプポスト (設計:E.クラリチェック+M.ブレハ) (1912-1913)
ネクロノヴァ通りの集合住宅 (設計:J.ホホル) (1913-1914)
ヴィシェフラットの3世帯住宅 (設計:J.ホホル) (1913-1914)
エリスキー・クラスノホルスケの教員住宅組合アパート (設計:オタカル・ノヴォトニー) (1921)
アドリア宮 (設計:J.ザシェ+P.ヤナーク) (1926)
Photo by Daigo Ishii