フェニックスのヴィクトリアン・ハウス - 2
(フェニックス、アリゾナ、アメリカ合衆国)

フェニックスには、まだまだヴィクトリアン様式の住宅が残っています。同じ様式でも、幅があり、東海岸でも西海岸でもないアリゾナらしさも、時折加味されているようです。

それが鮮やかなのがパタースン邸で、1892年、成功した農場主であり実業家であったNIels Patersonのために、地元の建築家James Creigtonが設計しました。James Creigtonはアリゾナ大学の本館やフローレンスの裁判所も設計していますから、当時のフェニックスを代表する建築家だったのでしょう。

真っ先に目に入るのが、前庭の枝振り(葉振り?)のいいウチワサボテンで、乾いた地面に、サボテンを初めとする植物が、疎らに居場所を見付けた庭は、砂漠のランドスケープが入り込んだようです。

家も、そんな庭同様、ディテールに神経質にならず、鷹揚というか、少し粗いのが、アリゾナ風か。

十字型の間取りは基本通りでも、屋根は単純な切り妻の組み合わせですし、金属細工は、木をくり抜いた大振りなものに変わります。すべての妻飾りが違うのは、頭部のデザインを大事にするヴィクトリアン様式への配慮でしょうが、繊細さは薄れ、ちょっと田舎びた文様は、アリゾナの自然や先住民も想像させます。地元建築家ならではのデザインでしょうか。

少し雰囲気の違う、西面の平屋のポーチは、1930年にヴィクトリアン様式から変更されたそうです。

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交通
フェニックスのダウンタウンから徒歩圏内。

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旅行の際に調べた情報であり、評価については、各人でご確認下さい。

参考文献
アメリカの住宅生産(戸谷英世著, 住まいの図書館出版局, 1998)
アメリカンホームの文化史(奥出直人著, 住まいの図書館出版局, 1988)

AZ Central.com
National Resister of Historic Places
Peterson House Museum
Pioneers' Cemetery Association -Smurtwait House
Wikipedia

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パタースン邸 (1892)

        Photo by Daigo Ishii