軽井沢のカラマツ林に立つ別荘。
森の中のヴィラの建物の中に、もう一つの小さなヴィラがあるような構成です。
水平な1階のメインスペースは、森の気配を感じ取りながら、仲間と食事をし、話し、遊び、読書をするような場であり、その1階の屋根の上に、小さなヴィラのような3つのスペースが乗っています。
軽井沢の別荘地の魅力であり、格でもある広々とした林の景観や良好な住環境を阻害しない建築とするため、2階の3つのスペースは、隙間を取りながら置かれ、隙間越しに林の風景が見えます。
その結果、3つのスペースは、木々の間に浮かぶ独立したヴィラとなり、森の中の一軒家のように、四方から光が差し込みます。
外壁は、軽井沢でよく見掛け、景観的にも良好な板壁を主とする。ただ、板壁とガラス窓の連続パターンや、細長い1階に3つの小屋を載せた2階建ての構成が、ふつうの別荘とは異なり、周辺の風景や建物と連帯しながらも、自律した雰囲気を漂わせます。
所在地 長野県軽井沢町
延床面積 230 m2
構造 鉄骨造2階建
構造設計 大賀建築構造設計事務所
水平な1階のパブリックスペースの上に、2階の3つのボックス状のスペースが置かれている。ボックスの間から森の風景が抜けて見える。
外観は、軽井沢の別荘地でよく見掛ける板張りとし、景観に配慮している。
上から見下ろす。
1階は、地面より浮かし、アプローチの斜路でアクセスする。斜路は、浅間山らしい溶岩積みの擁壁の間を抜けて行く。
2階の3つのボックスは、日光や風が、最大限受容できるように、ずれて配置されている。