横浜の馬車道地区の敷地に地域を活性化する施設を提案するコンペティションの入選作。
さまざまなアートの場が一つになった施設を提案しました。馬車道のコンテクストを解読し、それを新しい形に組み直そうとしました。
馬車道のストリートは、線状の道がまっすぐに続き、単調な雰囲気を漂わせています。この案では、敷地の中央に、道と直交する広場をつくり、人の動きの上でも、視覚の上でも、街に、変化や魅力を生むふくらみをつくりました。
広場のガラスの窓、テラス、歩行者ブリッジを通して、施設内の人の様子が、広場に伝わり、広場を訪れた市民の動きと重なります。場所全体に、楽しさを演出します。
施設は、たくさんの出入口を持ち、近づきやすさは、施設の親近感や利用しやすさにつながり、地域での公共的性格を強くします。
原っぱ、樹木、気球、風向計、空中に浮かぶ池などのイメージが、建築内にちりばめられ、リラックスした雰囲気と、市民にとっての親しみやすさをつくり出しています。
ファサードの繊細なカーブは、自然のイメージであると同時に、施設に、ヒューマンスケールの雰囲気を与えます。一方で、「横浜という街」や「世界」につながる、大きなスケールのイメージも導入し、市民に、ヒューマンなスケールを超えた広がりも意識させようとしました。
所在地 神奈川県横浜市
延床面積 6000m2(1815坪)
掲載誌、書籍
1989.06. 新建築平成1年6月号